看護師の業務調査トレンド
看護師は、その専門性の高さに加えて非常に多忙で、さらには人命を預かるプレッシャーと常に向き合い続けるストレスフルな仕事です。そのため、看護業務に関する調査研究は古くから行われています。最近では、位置検知システムで看護師の動線把握や、クラウドカメラを用いた看護師の動きの人間工学的分析など、先進技術を駆使した調査スタイルも増えてきました。
それに比べると、私たち日本経営による看護業務調査の手法は、かなりアナログといえるかもしれません。どのような手法かというと、看護部の幹部や管理職とともに「臨床現場の状況や看護師の業務を観察する」というものです。
アナログのチカラ
「この時代に現場観察?わざわざ?」そんな声が聞こえてきそうです。
しかし、実際のところ業務調査においては詳細な分析データを取得するよりも、「幹部や管理職と現場スタッフをつなぎ、現場の協力を得る土壌を作る」ほうが優先度が高いことを私たちは経験から知っています。このアナログな手法が、「幹部も一緒になって、現場の問題を解決する」という強いメッセージを放ち、現場との対話を生みだすきっかけとなるのです。
対話が生んだ、ある病院の「変容」
その病院の看護部では、幹部(部長・副部長)と管理職(師長・主任)とが、お互いに「何を目指しているのか分からない」「主体性が足りない」と不満を抱きあい、潜在的に対立していました。そのような中で行われた業務調査。普段は現場に立ち入らない幹部が病棟に足を運び、長時間にわたり真剣な眼差しで現場観察を行いました。
すると、直後に開かれた意見交換ワークショップで早くも変化が表れます。両者が病棟の現状について自然に対話を始め、徐々に議論は熱を帯びていったのです。やがてお互いに抱いている志は同じであることに気づき、たしかにあったはずの「壁」が消えていくのを誰もが感じていたと思います。
〈観察終了後のセッション〉
こちらの病院はこの業務調査がきっかけで、職員満足度調査を初めて実施したり、現場のフィードバックを積極採用したりと、病院全体で『現場の声に耳を傾ける』姿勢にシフトチェンジを遂げつつあります。
変革のための第一歩
いかがでしたでしょうか?
一見、とても変化を変化を受け入れるようには思えない組織でも、正しいきっかけさえあれば瞬く間に歯車がかみ合っていく…私たち支援する者にさえ、力を与えてくれた事例でした。「私の働く組織に変化を起こすのはムリ」と諦めるその前に、業務調査という手があることをぜひ知ってください。
業務プロセス改善コンサルタントだからこそできること・・・
ここまで読んでいただきありがとうございました。
「こんな手法ならできそう」「もうやったよ」という方もおられるかもしれません。
一方でやってみたはいいが、結局普段の思っていることしか見えなかった、なんてこともあるかもしれません。我々はそうした皆様が普段と違った視点で現場を見ることができるサポートをするとともに、プロフェッショナルとして、管理の仕組みや業務の流れといった、より専門的な観点での所感も共有いたします。
この記事を書いた人

著者名
越智 悠介
役職
業務プロセス改善コンサルティング部
米国リーン認定コンサルタント
看護師


看護部門の業務改善に関する深い理解と実証された手法を用いたコンサルティングを提供。

