―KN急性期病院の現在地
「やれと言われればできる」から、その先へ
現在、改善活動は継続しています。
これまで取り組んできた注射業務の改善については、目的は達成でき、現場への定着も進みました。
点滴台の整理整頓が進み、作業しやすい環境が整いました。
安全性向上のために紙から電子カルテへ移行し、時間を固定する運用に変更したことで、朝の業務にも余裕が生まれました。
目に見える成果は確かに現れています。
いまは、その状態を「歯止め」として維持しながら、次にどうつなげていくかに取り組んでいます。
ピンポイントの改善から、より根本的な改善へと視点を広げている段階です。
成果の裏側にあった気づき
改善活動を通じて、管理室側のモチベーションは高まりました。
「やればできる」
その実感は大きなものでした。
一方で、現場側では必ずしも同じような変化が見えていたわけではありません。
最初のプロジェクトチームでは、「無理だと思っていたが、やればできた」「言えばやってくれるというギャップがあった」という声がありました。
そこから見えてきたのは、「やれと言われればできる」という状態です。
できる。しかし、自分たちから「やりたい」と言って始まったわけではない。
この点が、次の課題として浮かび上がりました。
管理室の振り返り
現場から問題が上がってきたとき、管理室は「答えを伝える」という姿勢になっていたのではないか。
そのことに、管理室自身が気づきました。
答えを提示することで、現場の考える力を弱めていたのではないか。
自走する組織になるためには、改善の進め方そのものを見直す必要があるのではないか。
こうした振り返りが生まれました。
第三者が当事者へヒアリングを行ったことも、大きなきっかけでした。
これまで本などで学び実践してきたマネジメントが、現代に合っていないのではないかと見直す機会になりました。
コンサルタントが入ることで、組織として柔軟になってきているという実感もあります。
継続できている理由
改善活動がいまも続いている理由については、明確な言葉があります。
「みんなで正しいやり方を理解し、試行錯誤しながら常に行う」
やめたくなる理由はいくらでも見つかります。
しかし、小さな改善を繰り返し、正しいと思うことを続けられる師長を増やすことが重要だと考えています。
管理室自身も悩むことがあります。
そのため、第三者からの客観的な意見を聞くことも欠かせません。
また、事務局や院長などから、管理室がどう変わったのか、より良くしていくためのフィードバックがあることも支えになっています。
成果を出して金銭的な支援を得られることが理想ではありますが、それ以上に、看護集団が良い看護を提供できることが大切だと考えています。
継続のための支援
今後の支援については、改善したことが継続できているかどうかをフォローしてほしいという希望があります。
コンサルが入ったからといって丸投げではなく、自分たちで取り組まなければならない。
その前提に立ったうえで、失敗事例を共有してもらえることが励みになるといいます。
「自分たちだけが失敗しているわけではない」
そう思えることが、継続につながります。
注射業務の改善については、3〜6か月程度のタイミングで相談したいという考えもあります。
ただし、タイミングを一律に決めるのではなく、そのときの状況に応じて相談できる形が望ましいと考えています。
進化し続ける組織とは
「進化し続ける組織」に必要なこととして挙げられたのは、
「現場のスタッフが元気であること」
しんどいことやできないことを挙げればきりがありません。
しかし、患者さん軸で「こういうことをしたい」と話し合える状態が、元気な組織につながります。
考え方を変えるには時間がかかります。
スタッフを守るだけでなく、現実を見て考える力をどう育てるか。
師長と管理室がどのように進めていくのかが、今後の課題だと感じています。
いまの位置
注射業務の改善は一定の成果を上げました。
しかし、それはゴールではありません。
「やれと言われればできる」状態から、自分たちで考え、動く組織へ。
ピンポイントの改善から、根本の改善へ。
この病院の取り組みは、いまも続いています。















