―地域中核病院TSの改善のかたち
「同じことを続ける」のではなく、変えながら続ける
現在、改善活動は継続しています。
ただし、「取り組んだ内容をそのまま続けている」という状態ではありません。
業務改善に取り組まなければならないという意識は共有されていますが、方法は環境の変化に合わせて変わっています。
薬のチェック方法の見直しや、申し送り時間の短縮など、病棟ごとに新しい方法を取り入れながら継続しています。
薬のチェック方法の改善は、ある病棟が自発的に発信したことがきっかけでした。
それが他病棟へ広がり、全体の取り組みへと発展しました。
また、セラピストと協働しながら取り組みを続けている部署もあります。
「同じことを続けるというより、環境変化に合わせてプランを変えながら続けている」
それが現在の状態です。
組織に起きた変化
改善活動を通じて、組織の中にも変化が見られました。
看護部長や師長の中に、少しずつ経営の視点が入ってきたといいます。
病床利用率を意識するようになり、経営の振り返りを数字で伝える機会も増えました。
師長会などで経営について考える時間が以前より多くなっています。
業務面では、薬のチェック方法を変更したことで夜勤の時間外が減少しました。
特に深夜明けの時間外が減ったという実感があります。
「飲んだ後のチェック」をやめたことが、夜勤者の負担軽減につながりました。
現場では、「実際に時間外が減った」という体感が共有されています。
継続の理由は成功体験
改善が続いている理由として挙げられたのは、成功体験の積み重ねです。
当初は「そんなの無理だよ」という反応もありました。
しかし、師長会や主任会で報告を重ねるうちに、「他病棟もやってみよう」という動きが出てきました。
視覚的に成果が見えることで共感が広がりました。
人事異動も影響しています。
他病棟を経験することで忙しさを実感し、自分たちの業務を俯瞰して見る機会が増えました。
違う環境を知ることが、意識の変化につながっています。
多職種との協働
継続のうえで効果的だった仕組みの一つは、多職種との連携です。
看護師が少ない状況の中で、検査室が送迎を担うなど、他職種が協力しました。
「看護が困っている」という状況を全体会議で共有したことが、支え合いの動きにつながりました。
看護部発信というよりも、病院全体でどう支え合うかを考える雰囲気が生まれています。
共有の力
師長会や主任会で成功事例を共有する仕組みも継続の原動力となっています。
他病棟の取り組みを知ることで刺激を受け、「やってみよう」という動きが生まれました。
管理職自身も現場に戻ることで、「忙しい中にも無駄がある」ことに気づいたといいます。
無駄をなくして生まれた時間をどう使うかを考える視点が、徐々に根づいています。
振り返る機会の重要性
改善活動をより効果的に続けるために必要なこととして挙げられたのは、「振り返りの機会」です。
今回のようにヒアリングで取り組みを言葉にすること自体が、有効だったといいます。
「そういえば自分たちはこうしてきたんだ」と再確認できたことが意味を持ちました。
新しい取り組みを増やすよりも、今やっていることをどう評価するか。
その仕組みがあるとよいと感じています。
数字とマネジメント
数字で判断する視点は、研修で学んでいます。頭では理解しています。
しかし、現場に戻ると数字に基づく判断や改善の視点が弱くなりがちです。
業務改善の結果を「やって終わり」にするのではなく、看護管理としてどう意味づけるか。
そこが今後の課題です。
いまの姿
この病院の改善は、固定された形ではありません。
変えながら続ける。
成功体験を共有する。
多職種で支え合う。
数字で振り返る力を強める。
取り組みは、いまも進行中です。















